あの夏の挑戦を、もう一度

あの夏の挑戦を、もう一度

昨年の夏。

私はBotanicalTech AIRというジャケットとパンツを作りました。

BotanicalTechシリーズの中でも、
もっとも軽く、
もっとも薄い素材でした。

とにかく軽くて快適なものを作りたい。

実はその前の年に極軽セットアップスーツを公開していました。
日本の石川のナイロンの極みKAJIFの素材です。
ジャケットはたった139g上下で291gです。
縫製はベトナムに縫える工場を探し求め作りました。

当時は布帛のストレッチ

今度は、
Botnicaltech®ジャージ系の軽さの限界にもチャレンジしてみたい。

暑い季節でも、
ジャケットを着ることが、持ち歩くことが苦にならないものを作りたい。

そんな思いから始まった企画でした。

もちろん簡単ではありませんでしたが、サンプルまでは順調でした。

ところが本番になると、
様々な問題が起こります。

素材があまりにも軽く、
あまりにも薄かったのです。

加工染色工場から、

「大変です!本番様で皺が入り直せない!」

もう、デリバリーを約束した納期まで生地を裁断工場に入れないと間に合わない。

ブラウンは受注数が少なく、ほぼハンドメイド的な対応で、なとかなりましたが、ブラックは、数量が多く、もうなんともできず、生地は全て使えなくなりました。

工場と知恵を絞り、少しだけ厚くし、染色時の皺が入りにくい工夫をしました。

結果数十g重くなりましたが、応援してくださった皆さんに報告をしながら進めました。

ところが、今度は縫製工場から、

「こんなものは縫えない」

と言われました。

サンプルは作れたが、バルクになると薄い上によく伸び、とても作るのが大変でと。

結果、丁寧に縫製スピードを落としてもらいなんとか対応。

ますます納期も厳しくなりました。

夏に着ていただく商品なのに、
お届けはギリギリ。ちょっとずれました、、

応援購入してくださった皆さまにも
ご心配をおかけしました。

さらに軽さを追求した仕様の一部は、

私の意図とは違い、

「雑に見える」

という印象を持たれた方もいました。

当時は本当に苦しかったです。

正直、

もう二度とやりたくないと思いました。

 

ところが先日。

久しぶりにそのジャケットを着ました。

展示会の相談へ向かう日。

BotanicalTech AIRジャケット黒に、
ユーカリネンリラックスパンツ
コルクサンダルを合わせました。

すると、

改めて思ったのです。

やっぱり良い。

軽い。

伸びる。

そして快適です。


失敗したからといって、

間違っていたわけではなかった。

そんな気持ちになりました。

もちろん反省点はあります。

納期。

仕様。

工場との準備。

改善すべきことはたくさんあります。

でも、

あの挑戦そのものは間違っていなかった。

そう思えるのです。


服づくりも経営も似ています。

失敗したからやめる。

それも一つの選択です。

でも、

失敗したからこそ見える景色もあります。

BotanicalTech AIRは、

私にとってそんな商品でした。

今年は無理に挑戦しません。

でも、

あの軽さと快適さは忘れられません。

だから来年は、

もっと良い形で。

工場も、

お客様も、

そして自分自身も納得できる形で。

あの夏の挑戦を、

もう一度続けてみたいと思っています。

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