現場へ行くと、服はもっと見えてくる。
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この数日の間に、東京都足立区にある検品・仕上げ会社を、久しぶりに訪ねました。
ALLESTのスーツについて、今後の仕上げ方やオペレーションを相談するためです。
現在、ALLESTのスーツは中国の工場で縫製とプレスを行い、仕上げた状態で日本へ届けています。
今回訪ねた会社が、現在ALLESTのスーツを仕上げているわけではありません。
それでも、服の仕上げを長年見続けてきたプロの意見を聞き、これからさらに良い状態で商品を届けるために、どのような方法があるのかを考えたいと思いました。
現場には、検品やプレスを終えた多くの服が、ハンガーに並んでいました。
奥には、服の形を整えるためのさまざまな機械があります。
華やかな場所ではありません。
けれど、服がお客様のもとへ届くまでには、こうした場所で積み重ねられてきた技術や経験が欠かせません。
20年近く前から知る、現場のプロ
この会社の社長とは、商社時代からの付き合いです。
当時は、かなりの量の仕事をお願いし、何度もやり取りを重ねてきました。
振り返れば、もう20年近く前になるでしょうか。
私は商社マンとして、工場だけではなく、検品会社や仕上げ会社、物流会社など、それぞれの現場にいるプロフェッショナルと仕事をしていました。
自分一人ですべての現場を見ることはできません。
だからこそ、自分の代わりに服を見て、判断し、必要な対応を考えてくれる人たちの存在が欠かせませんでした。
当時は、そうした人たちと一緒に、強いバリューチェーンをつくっていたのだと思います。
商品は、一社だけでは完成しません。
生地をつくる人。
縫う人。
検品する人。
プレスする人。
運ぶ人。
それぞれの技術がつながって、ようやく一着の服がお客様のもとへ届きます。
そして、そのつながりを支えているのは、仕組みだけではありません。
やはり、人と人との信頼です。
品質は、関係の積み重ねから生まれる
ビジネスは、効率や価格だけで成り立つものではありません。
こちらが実現したいことを理解し、どうすればより良くできるかを一緒に考えてくれること。
経験から気づいたことを、率直に伝えてくれること。
目に見える部分だけではなく、その先の使われ方まで考えてくれること。
そうしたやり取りの積み重ねから、安定した品質が生まれます。
信頼は、短期間でつくれるものではありません。
一つひとつの仕事をきちんと終えること。
約束を守ること。
相手の立場を理解しながら、より良い方法を考えること。
それを何度も重ねることで、少しずつ関係が築かれていきます。
久しぶりに社長と話しながら、ブランドを続けていくうえでも、この土台は変わらないと感じました。

画面だけでは分からないこと
今は、写真や動画を送り合い、オンラインで確認しながら、多くの仕事を進められます。
海外の工場とも、以前よりずっと速く、細かく情報を共有できるようになりました。
とても便利な時代です。
それでも、実際の服を前にすると、画面だけでは分からないことがたくさんあります。
生地の落ち方。
プレス後の立体感。
ハンガーに掛けたときの佇まい。
細かな縫製や仕上げの表情。
同じ服でも、写真で見るのと、実物を手に取るのとでは、受け取る情報量がまったく違います。
この日も、並んでいる服や仕上げの設備を見ながら、さまざまな話を聞きました。
素材による仕上がりの違い。
プレスの方法によって変わる服の表情。
配送したあとまで、できるだけ良い状態を保つための工夫。
実際の現場で服を見ながら意見を交わすと、自分だけでは思いつかなかった考えが生まれます。
それは、今すぐ何かを大きく変えるということではありません。
これからの商品づくりや、お届けするまでの仕組みを少しずつ良くしていくための、小さなヒントです。
現場に行く理由
久しぶりに現場へ行き、あらためて感じたのは、服づくりは机の上だけでは完結しないということです。
数字を見て、画面で確認し、メールで指示を出すことはできます。
けれど、服は最後まで、どこかで誰かの手によってつくられ、確認され、整えられています。
実物を見て、手を動かしてきた人の話を聞く。
そこには、次の服づくりにつながる多くのヒントがあります。
そして、長く仕事をしてきた人と再び顔を合わせることで、これまで積み重ねてきた関係の大切さも思い出します。
ALLESTの服も、目に見えるデザインや素材だけでできているわけではありません。
その後ろには、工場をはじめ、多くの人の技術と経験があります。
今ある方法を当たり前だと思わず、現場の知恵を借りながら、より良い形を探し続ける。
服づくりは、そうした小さな改善の積み重ねなのだと思います。
品質は、仕組みだけではつくれない。
人の技術と経験、そして信頼によって支えられている。
久しぶりに現場を訪ね、あらためてそんなことを感じました。
この日の着用
この日、私が現場で着ていたのは、
どれも、長時間歩き、現場を回り、人と話す日でも、気を使わずに過ごせる組み合わせです。
ALLESTの服やセレクトアイテムは、撮影のためだけではなく、私自身が日常の仕事で実際に着ているものでもあります。